投稿日:2024.10.2
ブラケットとワイヤーでどういう仕組みで歯が動くの
「どうやってワイヤーを使って矯正するのかわからない」
「どうしてワイヤーをつけるだけで歯が動くのか、仕組みを知りたい!」
矯正治療と聞くと、大半の方は歯の表面につける金具を想像するのではないでしょうか。
昨今ではマウスピース型矯正のように金具をつけないタイプの矯正治療も主流化していますが、
やはりワイヤー矯正はいまだに人気があり顕在です。
ですが、なぜ歯にわざわざ金具をつけて矯正するのか、気になる方も多いでしょう。
そこで今回は、ワイヤー矯正で歯が動く仕組みについて掘り下げてみたいと思います。
どういう原理で歯が動くのか興味のある方や歯列矯正を考えている方に
参考になる内容になっていますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
ワイヤー矯正とは
矯正治療のなかで最も歴史が古い治療として、ワイヤー矯正は確立されました。
さまざまな症例に対応していることから難症例とされる難しいケースにもワイヤー矯正は有効です。
さらに治療期間も比較的早く終えることができるなど、安心かつ安全に矯正治療ができる点が大きなメリットだといえます。
ですが、歯の表面に金具をつけなければいけない点は、
歯列矯正をしていることを知られたくない方にとってはデメリットかもしれません。
ワイヤー矯正の基本構造
では、ワイヤー矯正はどのような構造で成り立っているのでしょうか。
ワイヤー矯正は主に3種類のパーツを用いて使用しますが、
それぞれ歯の大きさや角度などを考慮しながらパーツを組み合わせて使用します。
・ブラケット
・アーチワイヤー
・結紮
ブラケット
ブラケットは歯の表面につけるボタンのような金具のことです。
よく金属製のものを想像しがちですが、実は白や透明のタイプもあり、選択の幅は広がりつつあります。
材質のほかにも形や大きさの種類も豊富で、ワイヤーを固定する指示具として用いることが大きな役割です。
アーチワイヤー
ワイヤーにも数多くの種類があり、金属製や樹脂製などさまざです。
ブラケットにワイヤーを通して固定し、少しずつ力をかけながら歯を動かしていきます。
最初は細めのワイヤーから開始し、徐々に太さを調整しながら歯を動かしていくことが役割です。
結紮
結紮とは、ブラケットとワイヤーを固定するために必要なパーツです。
結紮線という細い針金のようなものを使用して固定します。
結紮がないとワイヤーが外れやすくなり、歯を動かすことができないため必要不可欠です。
どういう仕組みでブラケットとワイヤーで歯が動くのか
先ほど紹介したパーツを利用して歯を動かしていきますが、実際にどのような仕組みになっているのでしょうか?
どうしても、歯の表面にあれだけの装置がついているのですから、
無理に歯を引っ張っているのでは?と思う方も多いかもしれません。
しかし実際には、歯の歯周組織の特徴を利用しながらブラケットとワイヤーで歯を動かしているのです。
まず、使用するワイヤーは形状記憶合金でできています。
形状記憶合金とは、変形した形状を元の形へ戻す性質がある合金のことです。
実はワイヤーならなんでもいいわけではなく、この特性を生かして歯を動かしていきます。
つまりワイヤーに力をかけるだけではなく、ワイヤーが元に戻ろうとする力を利用しながら歯を動かすのです。
しかし、ここでワイヤーだけでは不十分な場合もあります。
うまくワイヤーだけで歯が動かないと判断したときは、
パワーチェーンやコイルというパーツを取り入れながら進めていきます。
パワーチェーンとはチェーン式でできたゴムのことで、
ゴムの収縮する特性を生かして歯と歯の間の隙間を埋める効果の高いパーツです。
反対にコイルは、パワーチェーンとは力の作用が異なります。
コイルとはワイヤーに通して使用するパーツのことで、歯と歯の間を拡大しようとする役割を持っているのです。
以上のことから、いずれのパーツもかける力の作用を利用しながら歯を動かしていきます。
歯が動くメカニズムとは?
「ブラケットに固定したワイヤーで歯が動く仕組みは理解できたけど、じゃあ実際に歯はどうやって動かすの?」
と、なぜ歯が動くかについて、ご存じない方も多いと思います。
ここからは、矯正装置を装着した歯が動くメカニズムについて紹介していきましょう。
歯が動く際に大事な歯根膜の役割
まず、歯を動かすためには歯周組織の構造を理解しなければなりません。
歯は骨のなかに埋まることで直立することができますが、
この骨と歯の根っこのあいだには歯根膜というクッションのような役割を担う薄い膜があります。
歯根膜は、骨に歯を固定したり、触覚や痛覚を脳に伝えたりする役割をもつ大事な組織です。
ほかにも歯根膜には、歯に加わる力の吸収や緩和の役割を担います。
たとえば、食事のときをイメージしてください。
食べ物を噛むときに上下の歯に力がかかりますが、このときダイレクトに骨まで衝撃が走らないように
歯根膜が力をやわらげようとクッションのような働きを起こします。
いわば、歯根膜のおかげで歯や骨が守られているというわけです。
この働きを矯正でも利用し、歯を動かしていきます。
歯根膜と骨細胞の性質を利用して歯が動く
矯正装置を歯につけて力をかけていくと、歯根膜までその力が及ぶようになります。
このとき歯根膜がどのような変化を起こすのかというと、歯を動かそうとする方向の歯根膜は縮み、
反対側の歯根膜は伸びるように変化するのです。
実は、歯根膜には膜の厚みを一定に保とうとする性質があります。
そのため歯根膜の厚みに変化が生じると、歯根膜に面した骨にまで変化が現れるのです。
では、歯を動かす方向の歯根膜や骨はどんな変化を及ぼすのかというと、
縮んだ歯根膜は元の形に戻ろうとするため、骨を溶かす細胞(破骨細胞)の動きが活発化します。
一方で、反対側の歯根膜は伸びてしまっているため、
こちらも元の形に戻ろうと、骨をつくる細胞(骨芽細胞)が活発化するのです。
結果として、この両方の細胞の働きのサイクルによって歯が動いていくようになります。
以上のことから、矯正装置によって歯根膜に力を及ぼして
骨の吸収や再生を繰り返すことで歯を動かしていくという仕組みが働くのです。
歯を動かすときに強い力を加えすぎるのはNG
「早く矯正を終わらせたいから、強い力を加えて歯を並べてほしい!」
歯が動くメカニズムを知ると、おそらくこんな考えが出てくるかもしれません。
しかし、結論から言うと歯に強い力を加えすぎるのは危険です。
というのも歯列矯正で歯が動く距離は、ひと月に約0.3~0.5mmが一般的であり、最大でも1㎜程度だとされています。
それ以上動かそうとしてしまうと、歯周組織にダメージを与えかねないのです。
歯根が短くなったり歯ぐきが下がったりしてしまう可能性があることから、徐々に力を加えながら歯を動かしていきます。
歯列矯正で歯が動きやすい人の特徴
強い力をかけられないことが理解できても、やっぱり早く歯列矯正を終わらせたい方も多いでしょう。
そんな方のために、歯列矯正で歯が動きやすい方の特徴を紹介します。
歯と歯の間のスペースが確保されている
矯正によって歯を動かす際には、歯と歯のあいだのスペースが必要です。
スペースが狭いと、そのぶん歯の動きは遅くなります。
口周りの悪習癖がない
普段から歯ぎしりや食いしばり、頬杖、舌癖がある方は矯正期間が長い傾向があります。
というのも、せっかく歯を動かそうと矯正装置で力を加えているにもかかわらず口周りの癖が出てしまうと、
その力を妨害してしまうからです。
そのため、癖をもつ方は早めに改善するほうがいいでしょう。
新陳代謝が活発
歯を動かすときに骨細胞の力を利用すると紹介しました。
実は、歯周組織の新陳代謝が活発な方は骨の吸収と再生の代謝に影響がでるため、
歯が比較的早く動く傾向にあります。
新陳代謝を上げる方法として、歯ぐきの血流を良くしたりビタミンDを摂取したりするなど、
普段から歯周病予防や栄養素の摂取を意識してみるといいでしょう。
歯列矯正を考えている方は、当院のカウンセリングがおすすめ
ワイヤー矯正は適切な力で歯を動かす治療法であるため、安心して矯正することができます。
歯列矯正のことがよくわからないという方でもワイヤー矯正によって理想的な歯並びを実現することが可能です。
もし、ワイヤー矯正について興味があるという方は、一度当院のカウンセリングから受けてみてはいかがでしょうか。
患者さまの口のなかの状況や生活環境などから、適切な治療内容や期間をご提案いたします。
ぜひ、みなさまからのご予約をお待ちしております。
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