投稿日:2025.1.15
噛み合わせが深い(過蓋咬合)の原因と治し方
噛み合わせが深い歯並びを、過蓋咬合(ディープバイト)といいます。
この過蓋咬合、実は出っ歯や受け口等と並び不正咬合の一つであり、
治療が推奨されている歯並びの一つとされています。
あまり大きな問題がないと思われがちなこの過蓋咬合ですが、
実は大きな問題を抱えていることをご存じでしょうか?
今回は、この過蓋咬合が抱える大きな問題点や原因、治し方について詳しく解説していきたいと思います。
目次
噛み合わせが深い「過蓋咬合」とは?
歯を閉じたとき、上の前歯が下の前歯を大きく覆い隠し、
下の歯がほとんど見えなくなる状態を「過蓋咬合(かがいこうごう)」と言います。
「ディープバイト」とも呼ばれるこの過蓋咬合は、軽度の場合見た目はさほど目立たないことも多くありますが、
実は顎や歯に大きな負担をかけ、長期的にさまざまなトラブルを引き起こすことがあるのです。
治療が必要な歯並びというと、歯が前に飛び出ていたり、
歯列が凸凹になっていたりというイメージがあるかと思いますが、
一見歯並びに問題がないように見えても、以下のような特徴がある場合治療が必要な過蓋咬合である可能性があります。
・前歯を閉じると下の歯が見えない、または半分以上隠れる
・歯ぎしり、食いしばりの習慣がある
・奥歯の詰め物や被せ物が頻繁に外れる
・咬筋(噛む筋肉)が発達し、エラが張って見える
・骨隆起(主に下の歯ぐき内側に生じる骨の隆起)がみられる
なぜ過蓋咬合が起こるの?
過蓋咬合は、顎の発育や歯列の形成、生活習慣、遺伝的な要因が複雑に絡み合って発生します。
以下は、過蓋咬合を引き起こす可能性のあるいくつかの原因です。
骨の問題
過蓋咬合は、上顎骨が過度に成長したこと、下顎骨の成長が足りないこと、
上・下顎骨の大きさや位置の不調和が原因で起こることの多い不正咬合です。
顎の骨格や歯の形態は遺伝の影響を強く受けますが、成長期に何らかの影響で顎が過成長、
または劣成長してしまうことでも起こり得ます。
歯並びの問題
上の前歯が前方に突出している、下の前歯が後方へ傾斜している場合、
上下の歯が接触しにくいことで過蓋咬合が起こるケースもあります。
また、奥歯を虫歯や歯周病などで失ってそのまま治療せずに放置してしまうと、
他の歯列に合わせるように奥歯の噛み合わせが低くなることで、
過蓋咬合を引き起こすこともあるため、歯を失った後の対応は注意が必要です。
生活習慣
歯を強く噛み締める食いしばりや歯軋りは、長期間続くことで奥歯がすり減り、
噛み合わせが深い過蓋咬合を引き起こすこともあります。
過蓋咬合が引き起こすリスクとは?
過蓋咬合は見た目だけの問題ではなく、放置すると歯や顎などの周囲組織に深刻な影響を及ぼします。
歯の損傷
噛み合わせが深い過蓋咬合では、前歯や奥歯に過度な咬合力がかかるため、
歯が欠けたり割れたりするリスクが高まります。
最悪の場合、歯根への負担が蓄積されることで
歯の根っこが割れる「歯根破折」が起こり、抜歯が必要になることもあります。
また、特に奥歯は咬合力が集中しやすいため、詰め物や被せ物が頻繁に外れるケースも多く見られます。
知覚過敏
過剰な咬合力により歯の表面が摩耗すると、厚みのあるエナメル質が徐々に失われ、
エナメル質に覆われている象牙質が露出することで知覚過敏を引き起こす場合があります。
さらに、過度な咬合力で歯ぐきに圧力がかかり歯肉退縮が進行してしまうと歯根が露出し、
そこから知覚過敏の症状が起こる可能性もあるでしょう。
歯周病のリスク増加
過蓋咬合による過度な咬合力は、歯を支える歯ぐきや骨(歯槽骨)に大きな負担をかけます。
この負担が長期間続くと歯周組織が炎症を起こしやすくなり、不十分なセルフケア、
生活習慣等の様々な要因が重なることで、歯周病の発症に繋がることがあります。
これらのリスクは、加齢とともに放置すればするほど増加してしまうため、噛み合わせに関する治療が重要です。
顎関節症
過蓋咬合の状態では、上下の歯が不自然な位置で接触していることが多いため、
顎関節に負担がかかりやすくなります。
この結果、口を開閉するときに顎関節が痛む、顎がカクカクと鳴る、といった顎関節症の症状が現れます。
過蓋咬合だけが顎関節症の原因となることはありませんが、
進行すると日常生活にも支障をきたすこともあるため、重度になる前にできる限り早めの対処が必要です。
エラの張り
過蓋咬合では、咬む筋肉(咬筋)が過剰に発達しエラが張ることで、顔全体が四角く見える場合があります。
エラの張りはこのように筋肉が原因の場合と、骨が原因の場合がありますが、
過蓋咬合のように筋肉の過剰発達が原因でエラが張っている方の場合、
矯正治療で正常な噛み合わせに改善することで、治療後徐々にエラのハリが改善されることも珍しくはありません。
過蓋咬合と全身の健康への影響
過蓋咬合が原因で起こる問題は、歯や顎だけにとどまりません。
肩こりや首の痛み
噛み合わせが深いと咀嚼筋へ過度に緊張がかかってしまいますが、
場合によってはそこから繋がっている首や肩の筋肉も緊張しやすくなることがあります。
この結果、慢性的な肩こりや首の痛みを引き起こす可能性があることも、過蓋咬合のリスクの一つです。
頭痛や偏頭痛
顎関節や咀嚼筋の過剰な緊張が続くと、側頭部まで緊張しそこから痛みを感じることがあります。
頭痛は噛み合わせ以外にも多くの要因が考えられるものの、
過蓋咬合の噛み合わせは慢性的な頭痛や偏頭痛を引き起こす一つの要因になりかねません。
睡眠の質の低下
過蓋咬合の方は、就寝時に歯ぎしりや食いしばりをしている方が多い傾向にあります。
しかし、これらの歯ぎしり、食いしばりが睡眠中に行われていると、
睡眠の質低下に繋がってしまうことがあるのです。
質の悪い睡眠は、日中の集中力や生産性の低下など、生活全般に悪影響を及ぼします。
これらのことからわかるように、過蓋咬合を治療することは、単に歯や顎の問題を解決するだけでなく、
全身の健康を改善し、日々の生活を快適にするためにも非常に重要と言えるでしょう。
過蓋咬合の治療方法
過蓋咬合の治療は、その原因や程度に応じて異なりますが、自力で治すことはできません。
多くの場合、歯列矯正で改善することがほとんどですが、
顎骨に問題のある場合には外科的治療の併用が推奨されることもあります。
歯列矯正
歯列矯正で治療する場合、表側矯正や裏側矯正(舌側矯正)、マウスピース型矯正などの治療方法の中から、
患者さまのライフスタイルや症状に合わせ適切な方法を選択します。
過蓋咬合では奥歯までしっかりと調整する必要があるため、
ごく軽度の方を除き全体矯正が推奨されることがほとんどです。
抜歯の有無は歯並びや骨の状態によっても適応が異なるため、
気になる方は矯正治療のカウンセリングを受けてみましょう。
外科的治療
上顎、または下顎の形や位置により重度の過蓋咬合が生じている場合、
歯列矯正だけでは過蓋咬合の症状が改善しにくいため、
骨切り手術と矯正治療を併用する外科的矯正治療が推奨されることもあるでしょう。
この場合、通常の矯正治療に加え外科手術が必要となるため、
その分治療期間が長くなってしまうものの、過蓋咬合の根本的な改善が期待できます。
まとめ
過蓋咬合は、見た目の問題だけでなく、歯や顎、
さらには全身に広がる健康問題を引き起こす可能性のある不正咬合です。
しかし、主に矯正治療による適切な治療を行うことで、今回お話ししたようなリスクを軽減し、
正常な噛み合わせでより健康的に過ごせるような状態へ改善することが可能です。
「言われてみれば他の人よりも噛み合わせが深いかも」
「歯医者で噛み合わせが深いと言われた経験がある」という方は、
まずは早めに矯正歯科医に相談してみましょう。
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