投稿日：2024.8.23

私の歯並びは部分矯正できる？

こんにちは。新宿歯科・矯正歯科です。
いつも当医院のブログをご覧いただき、ありがとうございます。

「前歯の隙間が気になるけど、全体矯正はちょっと…」
「部分矯正ってどんな治療法なの？」

そのような悩みはありませんか？部分矯正は全体矯正とは異なり、気になる歯だけを整えられる矯正方法です。
費用や期間を抑えられるだけでなく、ワイヤー矯正よりも痛みが少ないというメリットもあります。
しかし、改善が期待できる症例は限られていることも。

そこで本記事では、部分矯正で改善が期待できる歯並びとそうでない歯並び、
部分矯正を選択する際の注意点などについて解説します。
部分矯正があなたに合う治療法かどうか、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

部分矯正とは？

部分矯正は、前歯の一部分だけをピンポイントで治せる治療法です。
たとえば、「前歯が少し出ているのが気になる」「笑うと前歯の隙間が目立つ」といった悩みを持っている方に適しています。

部分矯正のメリット

部分矯正は、以下のようなメリットがあります。

・2ヶ月～1年程度と比較的短期間で治療が完了する
・全体矯正と比べて費用を抑えられる
・ワイヤー矯正と異なり、歯を少しずつ動かすため痛みが少ない

部分矯正のデメリット

一方で、以下のようなデメリットがあります。

・奥歯は動かせない
・噛み合わせの改善は難しい
・全体矯正に比べて仕上がりが劣る可能性がある

部分矯正で改善が期待できる歯並び

ここでは、部分矯正で改善が期待できる歯並びの例を紹介します。

軽度の叢生（乱杭歯）

叢生（そうせい）とは歯がガタガタしている状態のことです。
程度の叢生であれば、対応できる可能性があります。
たとえば、歯が少し重なっている、ほんの少しだけ飛び出た八重歯などです。

ただし、重なり具合がひどい場合は、歯を並べるスペースが不足していることもあります。
この場合は、歯の両端をヤスリで削る処置（IPR・ディスキング）が行われます。
それでもスペースの確保が難しい場合は、抜歯が必要となるため、全体矯正を検討する必要があります。

軽度の出っ歯

出っ歯になる原因は、大きくわけて骨格によるものと、歯の生え方によるものがあります。
歯の生え方によるもので比較的軽度の出っ歯は、部分矯正で前歯を後ろに下げることで改善できる可能性があります。

すきっ歯

すきっ歯とは、歯と歯の間に隙間がある状態のことです。
前歯に限定されているすきっ歯は部分矯正で改善が期待できます。
前歯のすきっ歯が気になっていたけれども、全体矯正は躊躇していたという方も部分矯正なら気軽に挑戦できるのではないでしょうか。

軽度の捻転歯（ねんてんし）

捻転歯とは、歯がねじれている状態のことを指します。
歯が少しねじれている状態であれば、部分矯正で歯の向きを正しい位置に戻せる可能性があります。

部分矯正で改善が期待が難しい歯並び

以下のようなケースは、改善が難しい可能性があります。

重度の歯並びの乱れ

歯並びが大きく乱れている場合は、部分矯正では対応が難しいことがあります。

たとえば、

・歯の重なりがひどく、ガタガタが目立つ
・八重歯が大きく飛び出ている
・前歯が大きく前に出ている
・深い噛み合わせ
・噛んでも前歯が開いてしまう状態

部分矯正では抜歯を伴う治療や、大掛かりな歯の移動は難しいため、全体矯正を検討する必要があります。

骨格的な問題

骨格的な問題で歯並びが乱れている場合、部分矯正では解決が難しい場合があります。
たとえば、下あごが上あごよりも前に出ている受け口といったケースです。
この場合、顎の骨自体に原因があるため、歯の位置を調整するだけでは根本的な解決にならないこともあります。
重度のケースは外科手術を伴う矯正治療が必要になることもあります。

歯周病が進行している場合

歯周病とは、歯周病菌によって歯ぐきや歯を支える骨に炎症を引き起こす病気のことです。

歯周病が進行すると歯がグラグラしたり、最悪のケースでは歯を失ってしまうこともあります。
歯周病が進行している場合は、まず歯周病治療を優先する必要があります。
症状が落ち着いてから、部分矯正が可能かどうかを改めて判断するのが一般的です。

「部分矯正はできない」と言われたときの治療法

部分矯正が難しい場合、まず検討したいのが全体矯正です。
歯全体を動かすことで、噛み合わせを含めて改善できます。

部分矯正では対応できない、重度の歯列不正（ガタガタの歯並びなど）、
噛み合わせの問題（受け口、開咬、深い噛み合わせなど）、骨格的な問題も全体矯正なら解決できる可能性があります。
また、矯正方法は大きく分けるとワイヤー矯正とマウスピース矯正の2種類があります。

ワイヤー矯正とは、歯にブラケットとワイヤーを装着する矯正方法です。
矯正治療といえば、多くの人がイメージするのがこのワイヤー矯正ではないでしょうか。
歴史が古く、実績も豊富なので、部分矯正では難しい歯並びでもワイヤー矯正なら対応できるケースも多いです。

ワイヤー矯正には、歯の表に装置をつける「表側矯正」と歯の裏に装置をつける「裏側矯正」があります。
裏側矯正は、表から装置が見えないので、周囲の人に気づかれずに矯正治療をしたい方におすすめです。

一方、マウスピース矯正とは、透明なマウスピースを使用して歯を動かす方法です。
部分矯正ではなく、全体的な矯正が必要な場合でも、マウスピース矯正が選択されることがあります。
ただし、全ての症例に対応しているわけではありません。

部分矯正を選ぶ際の注意点

部分矯正を選ぶ際にはいくつかの注意点があります。
しっかりと理解した上で、治療を受けるかどうかを判断しましょう。

自分の歯並びに合っているか確認する

部分矯正は残念ながら、すべての方に適しているわけではありません。
たとえば、重度の出っ歯や受け口、顎の骨格に問題がある場合などは、部分矯正では対応できないことがあります。
まずは歯科医師に相談し、部分矯正が適しているかどうかを診断してもらいましょう。

歯を動かす範囲に限りがある

前歯のみを対象としているため、噛み合わせの改善や歯を大きく動かすことは難しい場合があります。
治療のゴールによっては、全体矯正の方が適しているケースもあることを覚えておきましょう。

後戻りの可能性も

部分矯正に限らず歯列矯正は、治療後に歯が元の位置に戻ってしまう「後戻り」のリスクがあります。
後戻りを防ぐためには、保定装置をしっかりと使用するなど矯正後のケアも大切です。

IPR・ディスキングが必要になることも

歯が並ぶスペースが足りない場合、歯の両端をヤスリで削る処置を行うことがあります。
また、抜歯が必要な場合は、部分矯正で歯を動かすのが難しくなるため、
全体矯正が必要になるかもしれません。

部分矯正は、手軽に歯並びを改善できるイメージがあるかもしれませんが、
選択する際はメリットだけでなくデメリットや注意点もしっかりと理解しておきましょう。

まとめ

部分矯正は、前歯など特定の部分の歯並びだけを治したいという方にぴったりの治療法です。
費用や治療期間を抑えられるメリットがある一方、適応できる症例には限りがあり、
全体的な噛み合わせの改善などは難しい場合もあります。

部分矯正を検討する際は、メリットだけでなく、デメリットや注意点もしっかりと理解することが大切です。

当院では矯正相談を実施しています。
「私の歯並びは部分矯正で治せる？」「全体矯正と比べてどんな違いがあるの？」など、
疑問や不安があれば、お気軽にご相談ください。

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