投稿日：2025.1.20

ガミースマイルは遺伝するの？

口元のお悩みは歯並びや歯の色だけでなく、歯ぐきが見えすぎてしまう状態が気になることもあると思います。
口元にコンプレックスがあると、笑う時に手で覆ってしまう場合もあります。
ガミースマイルは、治療が可能な場合が多いですが、その原因によって治療法も異なります。
そこで今回は、ガミースマイルと遺伝の関係や治療法について詳しくご紹介します。

ガミースマイルはどんな状態？

ガミースマイルは、笑った時に歯ぐきが見えすぎてしまい、一般的に3ミリ以上歯ぐきが見えている状態です。
笑った時に歯ぐきが見えるのは不自然なことではなく、チャーミングと捉える場合もありますが、
見えすぎるとコンプレックスになってしまうことがあります。

ガミースマイルは見た目を気にする方が多いですが、機能的にもデメリットのあることが多く、
改善が必要な場合があります。

また、ガミースマイルの原因によって治療法が異なるため、
原因を把握することがガミースマイル改善の第1歩になります。

ガミースマイルは遺伝するの？

ガミースマイルは、歯並びや骨格が関係しているため、遺伝する可能性があります。
ただし、必ずしもガミースマイルが遺伝するわけではありません。
お子様の時期から対応できる方法もありますので、気になる方は早めに相談することをおすすめします。

ガミースマイルの原因とは

骨格の問題

上顎の骨が発達し過ぎて出ている場合には、唇に収まりきらずに歯ぐきが出てしまいます。
この場合、顎の骨が出ているため、歯も出ている「出っ歯」の状態が多く、審美的にも機能的にも改善が必要です。
見た目のコンプレックスを抱えていると、口を開けて笑うことや話すことに消極的になる場合があります。
また、機能的には口が閉じにくくなるため、口の中が乾燥しやすく、
細菌が増殖して口臭やむし歯、歯周病の原因になるケースもあります。

歯の形や生えている位置

歯が小さい場合には、相対的に歯ぐきが見える部分が増えます。
また、歯が生えている位置が低い位置だと歯ぐきが見えやすくなり、目立ちやすくなります。
これらの状態は、ガミースマイルになりやすくなります。

唇の形

唇の形が薄い場合は、口を少し開けただけでも歯ぐきが見えやすくなります。

上唇を持ち上げる力が強い

上唇を持ち上げる力が強い場合には、唇がめくれやすくなり、歯ぐきが強調されやすくなります。

ガミースマイルを放置した時のデメリットとは

口元にコンプレックスを抱きやすい

顔の印象は、口元に大きく左右されると言われています。
ガミースマイルで口元にコンプレックスを持っていると、口を手で覆ってしまったり、
人とコミュニュケーションを取ることに消極的になってしまったりすることもあります。

近年口元への関心が高まっており、矯正やホワイトニングで口元の審美性を改善することに注目が集まっています。
矯正は、審美性だけでなく機能的なメリットも多いため、健康な歯を維持するために行う方が増えています。

口臭の原因になりやすい

唾液には、口の中を整える様々な効果があります。
その中で、口の中に残った汚れを洗い流す自浄作用の効果があります。
ガミースマイルは唇が閉じにくくなり、口が乾燥しやすくなるため、
唾液の働きが弱くなって、細菌が増殖して口臭がしやすくなります。

むし歯や歯周病のリスクが高くなる

ガミースマイルの方は、歯ぐきだけでなく、前歯も出ていることが多いため、口が閉じにくくなります。
そうすると、口の中が乾燥しやすくなり、むし歯や歯周病のリスクが高くなります。

ガミースマイルの治療法

歯並びが原因の場合は矯正治療

歯並びが原因でガミースマイルになっている場合は、矯正治療で歯並びを改善します。
前歯が出ている部分を改善することで、口元の印象も大きく変わります。
矯正方法は、ワイヤー矯正とマウスピース型矯正があります。
ワイヤー矯正の中でも表側矯正と裏側矯正がありますので、ご紹介します。

表側矯正

表側矯正は、歯の表面にブラケットとワイヤーを使って矯正する方法です。
歴史のある矯正方法のため、多くの症例があります。
また、大幅に歯を動かす症例にも対応しているため、歯並びの不正が強い方でも適用されやすい方法です。

従来は、金属のブラケット装置が多く、矯正中の装置の見た目が気になることが多かったのですが、
白や透明の矯正装置も選択できるようになり、矯正中の見た目を分かりにくくすることも可能です。

裏側矯正

裏側矯正は、歯の裏側の矯正装置をつける矯正方法です。
歯の裏側に装置をつけるため、矯正装置がほとんど見えず、矯正中の装置の見た目が気になる方におすすめの方法です。
裏側矯正は、力を歯の内側からかけるため、出っ歯や受け口などの歯を内側に動かす歯並びに効果的にアプローチできます。

裏側矯正は、歯科医師の技術力や経験が必要な矯正方法ですが、当院では数多くの裏側矯正の患者様の治療を行っています。

外科矯正

骨格性のガミースマイルで、顎の骨が大きく出ている場合には顎の骨を切除して
バランスを整えてから矯正治療をする外科矯正が必要なケースもあります。
患者様の症状の程度によって、歯列矯正で対応できる場合と外科矯正が必要なケースがあります。

外科矯正の場合、外科手術が必要になるため、入院が必要なことが多いでしょう。
治療スケジュールなどを考慮した上で、治療をするか決定することをおすすめします。

注射による治療

唇の筋肉が発達し過ぎている場合には、そのバランスを整えるために筋弛緩作用のある製剤を注入して、
唇が上がり過ぎないように調整します。
注射による治療は、効果が徐々に落ち着いてくるため、追加で注射が必要になります。
効果を継続するためには、半年に1回程度の定期的な治療が必要になります。

上唇粘膜切除術

歯ぐきの見える位置をコントロールするために、上唇の裏側から粘膜を切除して唇を縫い合わせる方法です。
そうすることで、歯ぐきが見える範囲を狭くすることができます。
手術時間は短時間で済みますが、唇が引っ張られているような感覚がしばらく続くケースがあります。

歯肉切除

歯ぐきが発達し過ぎている場合に行う方法で、歯ぐきが自然に見える範囲のラインで歯ぐきを切除して、
歯が見える範囲を増やす方法です。
比較的手軽に行うことができる治療ですが、歯ぐきが元の位置に戻りやすい可能性があります。

歯冠長延長術（クラウンレングスニング）

むし歯が深い場合などにも用いられる外科手術で、歯ぐきの下にある歯ぐきや支えている骨のバランスを整える手術です。
歯冠長延長術を行うことで歯ぐきのバランスが整い、スマイルラインを整えることができます。

まとめ

歯の大きさや顎の骨の状態は、遺伝的な要因もあるため、ガミースマイルも遺伝する可能性があります。
お子様の時期から気になっている場合には、原因を知って対処することで、
小さな頃にコンプレックスを改善でき、機能的なメリットも多くあります。

大人の方でも、口元に自信を持ちやすくなります。
また、口の中の乾燥を予防することにもつながり、むし歯や歯周病、口臭のリスクを抑えることができます。

口元は顔の中で大きく印象を変えると考えられています。
ガミースマイルは、その原因を診断して原因に対して治療ができると改善が見込めます。
当院では、矯正治療に力を入れて治療を行っていますので、口元でお悩みがある場合には、お気軽にご相談ください。

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