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投稿日:2024.2.21

前歯のねじれは歯並びを部分矯正で改善される?

前歯がねじれて生えているのが気になるというご相談をよくお受けします。
同時に患者様のお悩みとして「ここ(前歯)だけ治したい!」というのも良くお聞きします。

そんな時は部分矯正を検討してみると良いかもしれません。

部分矯正は奥歯を動かさずに、前歯12本の歯のみを動かして歯列を整える方法です。
もし部分矯正の適応となれば、費用や時間を短縮することができます。

しかし、歯並びによっては適応範囲外のこともあるため、詳しくご説明していきます。

部分矯正の特徴


矯正 部分矯正 噛み合わせ奥歯を動かさない

部分矯正では前歯12本の歯のみを動かして歯列を整えます。
奥歯の位置は動かさないため、前歯の範囲で矯正が可能な歯並びが適応範囲となります。

軽度な歯列不正に適応される


部分矯正の適応症例は、軽度なものに限られます。
中等度~重度になると、奥歯を動かさなければ歯列が整わないことも多いため、基本的には適応症例から外れます。
具体的な適応症例は軽度な叢生、捻転歯、出っ歯、空隙歯列などです。

軽度な叢生


叢生とは、顎に対して歯が大きく、重なり合ってしまう歯並びのことを指します。
矯正歯科を訪れる日本人の80%がこの叢生で悩んでいるといわれます。

とても多くの方が悩んでいる叢生ですが、その程度も軽度から重度まで、さまざまなものがあります。
叢生は見た目としてのデメリットがあるだけでなく、重なり合っていることにより清掃がしづらく、
清潔を保ちにくいという特徴もあります。

前歯のねじれ「捻転歯」も状態によってはこの叢生に含まれます。

軽度な出っ歯


出っ歯は「上顎前突」とも呼ばれます。
上顎前突には、骨格自体が前に出ているものと、歯だけが前に出ているものがあります。

骨格自体が前に出ているものは、子供の頃であれば装置での矯正が可能ですが、大人になって顎が成長を止めた後は、
装置での矯正はできなくなります。
骨を削るなどの外科的矯正が必要になります。

部分矯正で治せる出っ歯の範囲は、歯だけが前に出ているタイプで、さらに軽度なものになります。

空隙歯列


空隙歯列とは叢生とは反対に、顎に対して歯が小さく、歯列に隙間があくものを指します。
空隙歯列も軽度なものであれば部分矯正で治療できます。

また、空隙歯列の中で特に上の真ん中の前歯に隙間があいているものを正中離開と言います。
正中離開は、奥歯に特に問題がなければ、前歯だけを矯正する部分矯正の得意とする症例といえるでしょう。

後戻りした症例


矯正治療後に元の歯並びに戻ってしまうことを後戻りといいます。
後戻りは悪癖や保定装置の間違った使用方法などが原因で起こります。
矯正治療後しっかりメンテナンスに通っていれば早い段階で気づくことができ、部分矯正のみで対応できる可能性があります。

ブラックトライアングル


ブラックトライアングル 矯正ブラックトライアングルとは、歯と歯、歯肉の間に三角形の隙間ができてしまうものを指します。
健康な歯肉は歯と歯の間にぴっちりと密着しているのですが、歯槽骨の吸収が起こったり、
矯正による歯の移動などで下がったりすると、ブラックトライアングルができることがあります。
奥歯はブラックトライアングルができにくいため、前歯のみの部分矯正で対応が可能です。

部分矯正のメリット


気軽に矯正できる

部分矯正のメリットは、その手軽さにあります。
「ちょっと気になるだけなのに大がかりな治療になってしまうのはちょっと……」と考える方におすすめです。

期間が短い


例えば、この部分だけ短期間で治したいというご希望をお持ちの方には、部分矯正はとてもいい選択肢です。
全体矯正では3年程度の時間がかかることが多いですが、部分矯正は数ヵ月~半年程度で治療が終わることが多いです。
ライフイベントを控えている方にとって、計画が立てやすいなどのメリットがあるでしょう。

価格が抑えられる


矯正は自由診療のため、歯科医院によって価格はまちまちです。
しかし、大まかな相場観はあります。
部分矯正は全体矯正の3分の2程度の価格で治療を受けられるところが多いです。

部分矯正のデメリット


部分矯正 噛み合わせ症例が限られる

部分矯正で対応できる症例は限られています。
奥歯を動かさないことから、前歯のみのスペースで矯正可能な範囲に限られます。

歯を削る可能性


奥歯を動かさないため、もしスペースが足りないと歯の側面を少しずつ削る必要が生じるかもしれません。
0.25mm程度という極薄い量の切削ですが、健全な歯を削ることに抵抗がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
痛みが出る、しみるなどの症状が出ることはほとんどありませんが、歯科医師とよく相談することが大切です。

噛み合わせの改善はできない


全体のバランスを整えることができないため、噛み合わせの改善はできません。
基本的には審美面のみを整える治療法だと考えると良いでしょう。

矯正治療にとって、見た目を整えるのと同じくらい、噛み合わせを整えることは大切です。
美しく歯を並べると同時に、その方の歯や顎にとってできるだけ負担の少ない歯並びに導き、
健全な口腔内をできるだけ長く保つのが矯正治療の目的です。

そのため、もし部分矯正の適応範囲外だと診断された方は、無理に部分矯正を選択せずに、
全体矯正を選択して治療を受けてください。

部分矯正の種類


矯正 ブラケット 部分矯正マウスピース矯正

マウスピース矯正で部分矯正は可能です。
しかし、マウスピース矯正のブランドにより異なりますので、歯科医院に相談しましょう。

マウスピース矯正は目立ちにくいため、ワイヤー矯正よりも気軽に踏み出せる矯正方法です。
さらに部分矯正だとさらにハードルが下がり、受けてみたいと考える方も多くなるのではないでしょうか。

ワイヤー矯正が主流だった時代は、少し歯並びが悪い程度なら、ワイヤーを装着するデメリット方が勝ってしまい、
中々矯正に踏み出せないという方もいらっしゃいました。

しかし、現在は矯正装置が目立たないマウスピース矯正を選択することで、
多くの患者様が「前歯をちょっとだけ治したい」というご希望を叶えています。

ワイヤー矯正


昔からある一般的な矯正方法です。
ワイヤーを表に着けるため、目立ってしまうのがデメリットです。
しかし、マウスピース矯正では治せない歯並びも、ワイヤー矯正なら治療可能なケースもあります。
歯科医師と相談し、マウスピース矯正では治しにくいと判断された場合はワイヤー矯正を選択しましょう。

ワイヤー矯正(裏側矯正)


ワイヤーを裏側に装着し、表から見えてしまうデメリットを解消した方法です。
歯の裏側にワイヤーをつけるので審美的には優れていますが、舌がワイヤーに当たり痛みが出ることがあります。

まとめ


部分矯正 前歯のねじれ部分矯正で前歯のねじれは矯正できます。
しかし、部分矯正では噛み合わせを整えることはできず、部分矯正の適応症例は限られているため、
状態や重症度に合わせて治療法を選ぶことが大切です。

矯正治療は審美面を整えるためだけなく、口腔機能をより良く保つために行われるということを知っておくことも大切です。

しかし、この部分だけをちょっとだけ治したい、価格やかかる期間を抑えたいと考えている方にはメリットの多い治療法です。
ライフイベントを控えているような方とっては良い選択肢となるでしょう。

前歯の軽度のねじれに悩んでいて、矯正治療を受けたいとお考えの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。

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