投稿日：2024.7.17

受け口になると顎ずれが起きるの？

受け口は見た目が気になってしまうことも多い歯並びですが、
前歯の噛み合わせが反対になっているため、噛み合わせのバランスが悪い状態です。
そのまま放置して噛み続けていると、顎に負担がかかってしまう場合もあります。

全身の筋肉は繋がっているため、顎に緊張がかかり続けると肩こりや首こり、
頭痛などを引き起こしてしまうこともあります。
そこで今回は、受け口になると顎ずれは起きるかについて詳しくご紹介します。

受け口とは？

通常は上の歯が下の歯を覆っていますが、受け口は下の歯が上の歯を覆っている状態です。
噛み合わせが反対になっているため、反対咬合ともいわれています。
前歯の噛み合わせのバランスが崩れているため、機能的にも問題がある歯並びですが、
見た目がコンプレックスになってしまうことも少なくありません。
機能的にも審美的にも改善した方が良い状態です。

受け口の原因

受け口の原因は、先天的な場合と後天的なケースがあります。

先天的なケース

親からの遺伝

骨格や歯の大きさは遺伝的な要素があります。
そのため、上下の顎がアンバランスになっている場合には、遺伝の可能性があります。

後天的なケース

口周りのくせ

日常的に舌で歯を押すくせ、舌の位置が下がっている、
口呼吸などの口周りのくせが習慣化していると、受け口の原因になる場合があります。
矯正でも少しずつ力をかけ続けると歯が動くように、これらのくせが習慣化していると少しずつ歯並びが悪くなる場合があります。

前歯の生え変わりがうまくいかない

乳歯の生え変わりは、永久歯が下から生えてくると乳歯の根を吸収してグラグラして乳歯が抜け落ちます。
しかし、下の歯が外側を向いて生えてしまったり、上の歯が内側に入ってしまったりすると受け口のなる可能性があります。

顎ずれとは？

顎ずれは左右の噛み合わせのバランスが崩れて、左右非対称になっている状態を指します。
顎がずれる原因の多くは、歯並びの不正です。
噛み合わせのバランスは、遺伝的な場合もありますが、日常の生活習慣が大きく関係している場合があります。
舌を出すくせや頬杖、舌の位置が低い低舌位などは噛み合わせのバランスが崩れてしまう可能性があります。
まずは、噛み合わせのバランスが悪くなったくせを改善することが重要です。

そして、噛み合わせはずっと同じわけではないため、年齢とともに変化します。
加齢や強すぎる咬合などで、少しずつすり減りが生じる場合もあります。

また、そのまま放置していても、自然に正しい位置に戻ることは少ないため、
正しい噛み合わせのバランスに整えるためには、矯正治療が必要です。

顎ずれで引き起こされる症状とは？

・朝起きると、顎がだるい
・口が大きく開きにくい
・口を開けると音がする
・顎の関節を押すと痛みが出る
・口の開け閉めがスムーズにいかなくなった

これらの症状がある場合には、顎ずれの可能性があります。
初期の段階では、顎がだるい、口が開きにくいなどの症状がありますが、
進行すると食事をする時に痛みが出ることもあります。
顎ずれの症状が悪化すると、顎の関節に大きな負担がかかっている可能性があります。
症状が悪化する前に早めに通院をしましょう。

顎ずれの原因とは？

歯ぎしりをしている

歯ぎしりは寝ている時にしていることが多く、自分で気づきにくいため、
家族の方に指摘されて初めて気づくことも少なくありません。
そして、就寝中は無意識のため、自分で改善が難しいです。
歯や顎を守るために「ナイトガード」というマウスピースで顎への負担を軽減します。
また、歯並びの不正が原因で歯ぎしりを引き起こしている場合には、矯正治療で歯並びの改善が必要です。

慢性的なストレス

顎ずれとストレスは、深い関係があると考えられています。
強いストレスがかかると、無意識に食いしばりや歯ぎしりをして、ストレスを発散しているといわれています。
慢性的なストレスがかかっている場合には、噛みしめる機会が多くなり、
筋肉の緊張や疲労から噛み合わせのバランスをくずし、顎ずれにつながる場合があります。

外傷

顎ずれの原因の1つとして、外傷の強い力が外側から加わった場合があります。
スポーツの強い接触や交通事故などで、外傷を受けた時に顎に負担がかかり、顎ずれを引き起こすことがあります。
突発的な事故で起きることが多いため、強い痛みを伴うことが多いでしょう。
顎の痛みがある時は無理な位置で噛むことも多く、さらに顎の負担がかかりやすくなります。
外傷を受けた時は、顎に負担のかからない柔らかい物を食べるようにしましょう。

顎ずれが起きている時にやってはいけないこと

日常の生活習慣

頬杖などの顎に負担をかける姿勢

頬杖はめずらしいくせではありませんが、頬から力がかかるため、左右の顎のバランスが崩れてしまうことがあります。
頬杖はあまり意識せずに行っていることが多いため、意識的に改善するようにしましょう。
また、机の見える位置に頬杖を止めるメモなどを貼っておくと意識しやすくなります。

片側ばかりで噛む

食事をする時には、両方の奥歯で均等に噛むことが理想的です。
しかし、噛み合わせのバランスが悪かったり、片方ばかりで噛むくせがついていたりすると、
左右の顎のバランスが崩れてしまうことがあり、顎ずれにつながります。

自己流の治療

市販のマウスピースを使う

歯ぎしりの負担を軽減する目的でマウスピースを使用する場合があります。
しかし、市販のマウスピースは口にぴったり合うことが難しく、
顎ずれの症状がある場合には噛み合わせのバランスがさらに悪くなってしまう可能性があります。

歯医者で製作するナイトガードは、口の型取りをして患者さまの口にぴったり合った物を作ります。
しかし、市販のマウスピースの場合は既成の物はお口の大きさや噛み合わせに合わない場合もあります。
成型タイプもありますが、噛み合わせのバランスは繊細な部分のため、
ご自分で正しい噛み合わせの位置に作ることが難しいです。
顎ずれの症状が出ている場合には、歯医者で噛み合わせのバランスを考慮したマウスピースを作製しましょう。

受け口と顎ずれの関係とは？

受け口が原因で顎ずれになる可能性があります。
受け口の状態は下の歯が前に出ているため、噛み合わせのバランスが悪くなっています。
そうすると、顎の位置が変わってしまい左右にずれることがあります。
これにより、顎関節に負担がかかって顎ずれがさらに進行することがあります。

顎ずれを改善するためには矯正治療が必要

噛み合わせのバランスは自然に戻ることは少ないため、矯正治療が必要です。
矯正治療にもいくつか種類がありますので、ご紹介します。

ワイヤー矯正

歯の表面にブラケットという装置をつけて、ワイヤーを通して、適切な力で歯を動かします。
歴史のある方法で、多くの歯並びに対応しています。

表側矯正

歯の表側に矯正装置をつける方法で、多くの矯正歯科で対応しています。
以前は、金属の装置が主流だったため、装置の見た目が気になってしまうことがありましたが、
白や透明の審美ブラケットやワイヤーを選択できるようになり、矯正中の見た目が改善されつつあります。

裏側矯正(舌側矯正)

歯の裏側に矯正装置をつける方法のため、矯正中に装置が見えることはほとんどありません。
矯正中の装置の見た目が気になる方におすすめの方法です。
出っ歯や受け口などの歯並びを内側に動かす治療が得意になります。

マウスピース矯正

患者さまの口をスキャンして、口にぴったり合ったマウスピースを作製し、
段階的に形の違うマウスピースに交換することで歯を動かす方法です。
透明のマウスピースを使用するため、矯正中の見た目が目立ちにくいです。
また、取り外しができるため、食事や歯磨きを今まで通り行うことができます。

まとめ

受け口は前歯の噛み合わせのバランスが崩れています。
症状の程度にもよりますが、無理な噛み合わせをしていることで、顎ずれの可能性があります。
噛み合わせのバランスが悪いと、顎や歯に負担がかかってしまうため、矯正治療で改善しましょう。

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