投稿日:2023.8.25
受け口は矯正のみ手術なしでも治るの?
皆様、こんにちは🐄🥛
新宿歯科・矯正歯科です!
いつも当医院のブログをご覧いただき、ありがとうございます。
受け口は見た目に影響を及ぼしやすいことから、
歯列矯正を希望する方は多いです。
しかし、受け口の治療方法はあごの骨や歯並びの状態により、
歯列矯正のみで対応できる症例と、外科手術が必要となる症例があります。
そこで本記事では、「受け口は矯正のみ手術なしでも治るの?」を
テーマに、受け口の種類や治療方法、
手術が必要な受け口を歯列矯正で治すとどうなるのか
などについてお話させて頂きます。
目次
受け口とは?
受け口とは、下の前歯が上の前歯よりも前に出ている噛み合わせのことです。
「下顎前突(かがくぜんとつ)」や「反対咬合(はんたいこうごう)」とも呼ばれています。
受け口には、前歯だけが逆に噛み合っているケースもあれば、
歯全体の噛み合わせが逆になっているケースもあります。
本来の噛み合わせと反対になっているため、
歯や体にさまざまな悪影響が生じることがあります。
受け口の原因
受け口は、主に以下のような原因が挙げられます。
遺伝
受け口は遺伝的な要素が関係しており、
親族に受け口の方がいる場合、引き継がれることがあります。
骨格の問題
下あごの骨が通常よりも前に成長したり、
上あごの骨が通常よりも成長が抑制されたりすることによって
受け口が生じることがあります。
歯の問題
下の歯が外側に生えている、上の歯が内側に生えているなど、
歯の生え方が原因で受け口になることもあります。
悪癖
指しゃぶり、舌の突き出し、
口呼吸などの悪癖が受け口の原因となることもあります。
受け口の原因はさまざまですが、
大きくわけると歯の問題と骨格の問題の2つに分類されます。
適切な治療方法を選択するためには、
レントゲンやセファログラムなどの精密検査を受け、
受け口の状態や程度、原因を正確に把握することが重要です。
受け口は矯正のみ手術なしでも治るの?
自分の受け口が手術なしの矯正のみで治るかどうかは、
原因や程度によって異なります。
矯正のみで治せる受け口
歯の位置や傾きが問題の軽度から中度の受け口は、
歯列矯正で改善が見込めます。
また、成長途中の子供の場合、
あごの骨の成長をコントロールする矯正装置を用いることで、
受け口の改善が期待できます。
ただし、受け口の原因が指しゃぶりや舌を突き出すなどの悪癖である場合、
これらも同時に改善しなければなりません。
そのため、矯正治療と並行して、
口の周りの筋肉を鍛える口腔筋機能療法(MFT)が行われることがあります。
手術が必要な受け口
重度の受け口は、骨格の問題が主な原因となっていることが多く、
歯列矯正と併用して外科的な手術が必要になることがあります。
特に成人の場合は、あごの成長がほぼ完了しているため、
歯列矯正だけでは受け口の改善が難しいことが多いです。
このようなケースでは、外科矯正が適切な選択肢となります。
外科矯正は、まずあごの位置を手術で調整し、
その後に矯正治療を行う治療方法です。
これにより、顔や口元のバランスと歯並びの改善を行うことができます。
受け口の手術はどんなことをするの?
受け口を改善する手術の一例として、
「下顎枝矢状分割術(かがくしじょうぶんかつじゅつ)」があります。
これは、下あごの第二大臼歯(前から7番目の歯)の位置であごの骨を分割し、
あごの骨を後方に移動させる手術方法です。
動かしたあごの骨は、動かないようにプレートで固定します。
外科手術は全身麻酔で行われ、数日間は入院が必要になりますが、
お口の中から手術を行うため顔に傷はつきません。
受け口の問題を根本から解決できるため、
見た目を大きく変えることが可能です。
ただし、手術と併用して歯列矯正を行うため、
治療期間は4~5年程度かかります。
手術が必要な受け口を矯正のみで治すとどうなる?
骨格に問題がある受け口を持つ方の中には、
「できれば手術はしたくない」と思う方も多いです。
しかし、手術が必要な受け口を矯正のみで治すと、
以下のような問題が生じる可能性があります。
審美的な問題は解決されないことがある
受け口の歯列矯正では上の前歯を前に誘導し、
下の歯の内側に調整する方法を用います。
しかし、歯列矯正で歯並びと噛み合わせは改善されますが、
歯を動かすだけでは下あごの位置を後ろに下げることはできません。
また、上唇が前に出てしまうことがあり、審美的な問題は解決されない可能性があります。
噛み合わせに問題が生じることがある
あごの位置が変わらないため、
噛み合わせが変わらなかったり不自然になったりする可能性があります。
それにより、歯に負担がかかり、欠けたり割れたりするリスクが増加します。
また、顎関節にも影響を及ぼし、顎関節症を引き起こす可能性があります。
受け口を治さないでそのままにするリスク
受け口を治さないでそのままにするとどうなるのでしょうか。
現時点では特に影響が感じられないかもしれませんが、
将来的に以下のようなリスクが発生する可能性があります。
見た目へのコンプレックス
受け口は、口元や横顔、顔のバランスに影響を及ぼすため、
見た目に対するコンプレックスを抱くことがあります。
特にあごがしゃくれているように見えることから、
自分に自信が持てなくなる方も多いです。
このような悩みは、人とのコミュニケーションに遠慮や不安が出てしまうことがあります。
虫歯や歯周病になりやすい
骨格に問題がある受け口は、歯並びにも影響を及ぼしていることが多いです。
たとえば、受け口と同時に歯並びがガタガタしているなどが挙げられます。
この場合、歯ブラシが届きにくく、
歯と歯の間に汚れが溜まりやすい状態になります。
長期間汚れがついたままになると、虫歯や歯周病になるリスクが高まります。
歯やあごに負担がかかりやすい
受け口は正常な噛み合わせとは反対になっているため、
歯やあごに負担がかかりやすい状態です。
特に奥歯に負担がかかりやすく、将来的に歯が欠けたり割れたりすることも。
また、あごにかかる負担も増えるため、
顎関節症のリスクが高まります。
顎関節症とは、口を開ける際に音がする、
あごの動きが制限されて口が開かないといった障害が生じることです。
重度になると日常生活に支障をきたすことがあります。
発音が不明瞭になりやすい
受け口の方は発音する際に舌がうまく使えず、
「サ・タ・ラ行」の発音が不明瞭になりやすいです。
特に英語の場合は「th」の発音に影響がでやすいため、
留学を検討している方や海外で仕事をする方は注意が必要です。
消化不良を起こしやすい
受け口は前歯で食べ物を噛み切れないため、
咀嚼(そしゃく)不足になりがちです。
食べ物が細かく砕けず、大きいまま胃腸に運ばれてしまうため、
消化不良につながることがあります。
また、栄養の吸収効率の低下や食べ過ぎなど引き起こす可能性もあります。
肩こりや頭痛が起こりやすい
受け口は、あごの位置関係がずれてしまうため、
お口周りやあごの筋肉に余計な負担がかかり、
緊張が生じることがあります。
この状態が続くと、頭痛や肩こりの原因となる可能性があります。
まとめ
受け口の程度や原因に応じて、適切な治療方法が選ばれます。
軽度なケースでは、歯列矯正のみで改善することが可能です。
しかし、重度な場合は外科的な手術が必要になることもあります。
放置するとさまざまな問題が生じるため、
受け口は早めの診断と適切な治療が重要です。
当院では、受け口の歯列矯正だけでなく、手術にも対応しています。
自分の受け口が歯列矯正で解決できるか、
それとも手術が必要か、お悩みの方はお気軽にご相談ください。
ご一読して頂きありがとうございます。